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ごぼうと健康

ごぼうは、抗酸化のエリート野菜だった!?

ごぼうは、抗酸化のエリート野菜だった!?

ごぼうには、さまざまな種類のポリフェノールが含まれています。ポリフェノールとは、植物に含まれる色素や苦みの成分ですが、大きな働きとして「抗酸化力」があります。

本記事では、ごぼうに秘められた抗酸化力について、研究データをもとにご説明します。

2024.09.20

「抗酸化」って何?

老化や病気をくい止めるのには、抗酸化(こうさんか)が大切と言われます。そもそも「酸化」とは酸素が化合する反応ですから、「抗酸化」=「酸化を防ぐ」ということになります。私たちは酸素がなくては生きていけないのですが、酸化を防ぐというのは、一体どういうことなのでしょう。

体をサビつかせる活性酸素

私たちは常に呼吸によって酸素を取り入れ、エネルギーの産生や代謝、解毒などに利用しています。しかし一部の酸素は、活性酸素に変化します。活性酸素は微量であれば人体に有用な働きをしますが、大量に生成されると細胞を損害し、過酸化脂質等を作りだします。この状態が「体の酸化」であり、まるで鉄がサビて劣化するのと同じように、体がサビついていく現象なのです。
参照)活性酸素と酸化ストレス | e-ヘルスネット(厚生労働省)

活性酸素が引き起こす健康不安

活性酸素は、体にさまざまな悪影響を及ぼすと考えられています。老化を進行させたり、さまざまな生活習慣病の原因になったりするのです。活性酸素が増える要因としては、多量の紫外線、栄養バランスの乱れ、過度のストレス、タバコや飲酒などの習慣、過激な運動、睡眠不足などが挙げられます。

活性酸素を防ぐ方法

体の酸化を防ぐためには、活性酸素の発生を防ぐことが第一。紫外線から身を守る、ストレスを避ける、タバコや過度の飲酒をやめる、質の良い睡眠をとるなど、日々の生活の中で意識して取り組むと良いでしょう。特に大切なのは、やはり食生活です。食品添加物を多く含む加工食品や脂っこいものをなるべく避け、抗酸化作用をもつ成分を含む食べものを積極的に摂ることをおすすめします。

食べて「抗酸化力」を強化しよう

抗酸化作用をもつ食べものとは、どのようなものなのでしょうか。でも難しく考える必要はありません。私たちが普段食べている身近な食べものにも、抗酸化成分を含むものがたくさんあります。

抗酸化力にすぐれた食べもの

抗酸化成分として知られる栄養素は、ビタミンC・E、ポリフェノール、ミネラル、カロテノイドと、さまざま挙げられます。食材としては、緑黄色野菜やフルーツ、ナッツ類、赤ワイン、緑茶、紅茶、海藻類などなど。多くの植物には、自然の抗酸化成分が豊富に含まれているのです。

野菜にはなぜ抗酸化力があるの?

野菜やフルーツは抗酸化成分をたっぷりたくわえて育ちます。その理由は、紫外線や昆虫など有害な外敵から身を守るため、植物は自ら抗酸化成分と呼ばれる物質を作り出しているのです。そのような物質は総じてファイトケミカル(phytochemical)と呼ばれています。

植物の抗酸化パワーを食卓に

抗酸化作用をもつファイトケミカルの代表として知られるポリフェノール。お茶のカテキン類、ブルーベリーのアントシアニン、コーヒーのクロロゲン酸などはすべてポリフェノール類で、人間の体内で抗酸化力を発揮することが知られています。

日本人と野菜、その抗酸化パワーを比較

日本でよく食べられている野菜に含まれるポリフェノール含有量を分析したデータがあります。すると、驚くことに、タマネギやジャガイモ、ニンジンと比べても、ごぼうに含まれるポリフェノールが非常に多いことが分かりました。(図)

図)日本人が摂取する「代表的な野菜」のポリフェノール含有量
下記文献より作成。生の野菜1g中に含まれる没食子酸当量 (mg gallic acid equivalent (GAE) / g 可食部)
参照) Takebayashi J et al. (2010) Biosci Biotechnol Biochem 74:2137-2140.

エリートなのに人気がない野菜、ごぼう

日本人の野菜から摂取する抗酸化物質の摂取源は、1位がタマネギ、2位がごぼうです。しかし、抗酸化力においては、タマネギ6.7 μmol TE / gに対し、ごぼう52.2 μ mol TE / gと、ごぼうの方が約8倍も抗酸化力が高いのです。つまり、ごぼうの摂取量を増やすことで、より抗酸化物質を手軽に摂取することができます。

引用元
英文誌:Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry(2010年)74巻10号 p.2137-2140
著者:竹林ら

調理法でも、抗酸化力に差が出る!

抗酸化作用をもつファイトケミカルの代表として知られるのがポリフェノール。お茶のカテキン類、ブルーベリーのアントシアニン、コーヒーのクロロゲン酸などはすべてポリフェノール類で、人間の体内で抗酸化力を発揮することが知られています。

水さらし無し、レンジでチンで、抗酸化力をサポート

ごぼうのポリフェノールは、皮やアクに多く含まれています。ごぼうの下ごしらえとして、皮を剥いだり、水にさらしてアクを抜いたりする方法がありますが、これでは抗酸化力のあるポリフェノールが失われてしまうことに。なるべく皮つきのまま、水にさらさない方がおすすめです。どうしても気になるという方は、電子レンジで1分程度、軽く温めて調理すると、水さらしをしなくても変色やえぐみを抑えられます。

ごぼう料理は、サビない料理

ポリフェノールなどをしっかり摂る食習慣をつくれば、おのずと抗酸化力を高めることができます。中でも、ごぼうは野菜の中でもトップクラスのポリフェノール含有量を誇ります。きんぴらごぼう、豚汁、ごぼうの天ぷら、ごぼう茶など、ごぼうを使った食品をうまく食生活に取り入れて、サビにくい健康な体をつくりましょう。

まとめ

ごぼうは、数ある野菜の中でもポリフェノールを豊富に含み、抗酸化力にすぐれた野菜です。しかし、長年にわたって消費量は減り続けている事実もあります。あじかんは、ごぼう茶やごぼうスープ、ごぼうのクッキーやチョコレートなど、ごぼうの力をさまざまなカタチで取り入れられる商品づくりに取り組んでいます。