目次
食物繊維とは
食物繊維は、食べ物の中に含まれ、人の消化酵素で消化できない物質です。5大栄養素に続く、第6の栄養素といわれることもあります。
食物繊維は体内で吸収されないため、それ自体がエネルギー源になることはありません。しかし、腸内細菌が食物繊維を利用してエネルギーを生み出すことで、ビタミンや短鎖脂肪酸などの栄養素が生成されます。
そのため、イヌリンをはじめとする発酵性食物繊維は、2 kcal/ gとして計算されます。
食物繊維の種類
ここでは、食物繊維の種類について解説します。
水溶性食物繊維とは
水に溶ける性質を持つ食物繊維を、水溶性食物繊維といいます。代表的な水溶性食物繊維は、以下のとおりです。
- ペクチン
- グルコマンナン
- アルギン酸
- アガロース
- アガロペクチン
- カラギーナン
- ポリデキストロース
など
水溶性食物繊維は、糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑える役割を果たします。
不溶性食物繊維とは
水に溶けない性質を持つ食物繊維は、不溶性食物繊維に分類されます。代表的な不溶性食物繊維は、以下のとおりです。
- セルロース
- ヘミセルロース
- キチン
- キトサン
など
不溶性食物繊維は、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便通を促進する役割を果たします。
ごぼうは食物繊維が多く含まれる食品
ごぼうは食物繊維が多く摂れる食品であり、生の状態で100gあたり約5.7gの食物繊維が含まれています。茹でた場合の食物繊維の量は、100gあたり約6.1gまで増加します。
ごぼう以外の食品の食物繊維量
ここでは、ごぼう以外の食品の食物繊維量を紹介します。ぜひごぼうとの比較にお役立てください。
穀類
穀類も、食物繊維を多く含む食品です。穀類に含まれる食物繊維量は、以下のとおりです。
食品 | 食物繊維(可食部100gあたり/g) | 食品の目安量 | ||
---|---|---|---|---|
総量 | 水溶性 | 不溶性 | ||
白米 | 0.3 | 0 | 0.3 | 一食150g |
玄米 | 1.4 | 0.2 | 1.2 | 一食150g |
発芽玄米 | 1.8 | 0.2 | 1.6 | 一食150g |
胚芽米 | 0.8 | 0.2 | 0.6 | 一食150g |
そば | 2.0 | 0.5 | 1.5 | 一食200g |
コーンフレーク | 2.4 | 0.3 | 2.1 | 一食40g |
角形食パン | 2.2 | 0.4 | 1.9 | 1枚60g |
全粒粉食パン | 4.5 | 0.9 | 3.6 | 1枚60g |
春雨 | 1.5 | — | 1.5 | 一食 |
野菜
ごぼう以外の野菜にも、食物繊維が多く含まれています。野菜に含まれる食物繊維量は、以下のとおりです。
食品 | 食物繊維(可食部100gあたり/g) | 食品の目安量 | ||
---|---|---|---|---|
総量 | 水溶性 | 不溶性 | ||
グリーンピース | 7.7 | 0.6 | 7.1 | 1パック100g |
ごぼう | 5.7 | 2.3 | 3.4 | 1本150g |
アボカド | 5.6 | 1.7 | 3.9 | 1個150g |
ブロッコリー | 5.1 | 0.9 | 4.3 | 1個200g |
えだまめ | 1.0 | 0.4 | 0.6 | 1パック200g |
オクラ | 5.0 | 1.4 | 3.6 | 1パック100g |
西洋カボチャ | 3.5 | 0.9 | 2.6 | 半玉500g |
ゆでたけのこ | 3.3 | 0.4 | 2.9 | 1パック150g |
カリフラワー | 2.9 | 0.4 | 2.5 | 1個200g |
にんじん | 2.8 | 0.7 | 2.1 | 1本200g |
ほうれんそう | 2.8 | 0.7 | 2.1 | 1束200g |
なす | 2.2 | 0.3 | 1.9 | 1個180g |
れんこん | 2.0 | 0.2 | 1.8 | 1節180g |
キャベツ | 1.8 | 0.4 | 1.4 | 半玉600g |
玉ねぎ | 1.4 | 0.4 | 1 | 1玉230g |
大根 | 1.3 | 0.5 | 0.8 | 1本1000g |
キュウリ | 1.1 | 0.2 | 0.9 | 1本100g |
レタス | 1.1 | 0.1 | 1 | 1玉300g |
きのこ
きのこも、食物繊維の摂取におすすめの食品です。きのこに含まれる食物繊維量は、以下のとおりです。
食品 | 食物繊維(可食部100gあたり/g) | 食品の目安量 | ||
---|---|---|---|---|
総量 | 水溶性 | 不溶性 | ||
黒きくらげ(乾) | 79.4 | 6.3 | 73.1 | ― |
黒きくらげ(ゆで) | 16.3 | 1.3 | 15 | ― |
しいたけ(乾) | 46.7 | 2.7 | 44 | ― |
生しいたけ | 4.5 | 0.4 | 4.1 | 1パック100g |
えのきだけ | 3.9 | 0.4 | 3.5 | 1パック100g |
ぶなしめじ | 3.5 | 0.3 | 3.2 | 1パック100g |
エリンギ | 3.4 | 0.2 | 3.2 | 1パック100g |
まいたけ | 3.5 | 0.3 | 3.2 | 1パック100g |
果物
果物にも食物繊維が含まれています。果物に含まれる食物繊維量は、以下のとおりです。
食品 | 食物繊維(可食部100gあたり/g) | 食品の目安量 | ||
---|---|---|---|---|
総量 | 水溶性 | 不溶性 | ||
ラズベリー | 4.7 | 0.7 | 4 | 1パック100g |
ブルーベリー | 3.3 | 0.5 | 2.8 | 1パック100g |
キウイフルーツ | 2.6 | 0.6 | 2 | 1個100g |
かき | 1.6 | 0.2 | 1.4 | 1個180g |
りんご | 1.4 | 0.4 | 1 | 1個238g |
いちご | 1.4 | 0.5 | 0.9 | 1個25g |
もも | 1.3 | 0.6 | 0.7 | 1個170g |
パイナップル | 1.2 | 0.2 | 1 | 1個700g |
バナナ | 1.1 | 0.1 | 0.5 | 1個120g |
みかん | 1.0 | 0.5 | 0.5 | 1個75g |
オレンジ | 0.8 | 0.3 | 0.5 | 1個100g |
ぶどう | 0.5 | 0.2 | 0.3 | 1房100g |
メロン | 0.5 | 0.2 | 0.3 | 1/8玉200g |
豆類
豆類も、食物繊維を十分に摂取するために、積極的に取り入れたい食品です。豆類とその加工食品に含まれる食物繊維量は、以下のとおりです。
食品 | 食物繊維(可食部100gあたり/g) | 食品の目安量 | ||
---|---|---|---|---|
総量 | 水溶性 | 不溶性 | ||
あずき(乾) | 15.2 | 1.0 | 14.2 | ― |
いんげん豆(乾) | 19.6 | 3.3 | 16.3 | ― |
大豆(乾) | 17.9 | 1.5 | 16.4 | ― |
えんどう豆(乾) | 17.4 | 1.2 | 16.2 | ― |
そら豆(乾) | 9.3 | 1.3 | 8 | ― |
生おから | 11.5 | 0.4 | 11.1 | ― |
糸引き納豆 | 6.7 | 2.3 | 4.4 | 1パック50g |
湯葉(乾) | 3.0 | 0.6 | 2.4 | 1枚4.5g |
油揚げ | 1.3 | 0.5 | 0.8 | 1枚25g |
木綿豆腐 | 0.4 | 0.1 | 0.3 | 1丁300g |
絹ごし豆腐 | 0.4 | 0.1 | 0.3 | 1丁300g |
豆乳 | 0.2 | 0.2 | 0 | ― |
食物繊維を摂るメリット
ここでは、食物繊維を摂るメリットについて解説します。
整腸作用がある
腸内環境を整えられる点は、食物繊維を摂る大きなメリットだといえるでしょう。
不溶性食物繊維は、水分を吸収して便の容積を増やす特徴を持っています。そのため、不溶性食物繊維が含まれている食品を摂れば、排便がスムーズになります。結果として、腸内の老廃物が少なくなり、大腸がんのリスクを減らせるでしょう。
また、食物繊維は、ビフィズス菌をはじめとする善玉菌のエサになります。善玉菌が増加することで、腸内環境が改善される効果も期待できます。
生活習慣病を予防できる
生活習慣病を予防できる点も、食物繊維を摂るメリットの1つです。
水溶性食物繊維には、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。また、ナトリウムを排出する効果もあります。さらに、カロリーが低いため、肥満の予防にもつながるでしょう。
食物繊維は、糖尿病や脂質異常症、高血圧、動脈硬化など、さまざまな生活習慣病の予防に効果がある食品といえます。
食物繊維を摂らないデメリット
食物繊維を摂らないと、便秘になりやすくなってしまいます。便秘の状態が長期間続けば、健康を損なってしまうでしょう。
現代の日本人は、食物繊維の摂取量が不足ぎみの傾向です。食物繊維を意識して摂るよう、心がけましょう。
摂るべき食物繊維量の目安
1日の食事から摂る食物繊維の目標量は、以下のとおりです。
男性 | 女性 | |
18~64歳 | 1日21g以上 | 1日18g以上 |
65歳以上 | 1日20g以上 | 1日17g以上 |
上記に挙げた量の食物繊維を1日で摂れるよう、食生活を見直してみるのもよいでしょう。
ごぼうに含まれる栄養素
ごぼうに含まれる栄養素は、以下のとおりです。
- クロロゲン酸:抗酸化作用があり、健康づくりや美容面に有効な成分
- 葉酸:貧血予防やDNA合成、たんぱく質合成に必要な成分
- カルシウム:強い骨をつくるために欠かせない成分で、不足すると骨粗しょう症の原因となる
- カリウム:体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧を防ぐ
など
ごぼうを調理する際のポイント
ごぼうは、皮ごと調理するのがおすすめです。
ごぼうの皮には、タンニンやクロロゲン酸などが豊富に含まれています。皮をむくと、それらの成分を十分に摂取できません。
また、ごぼうにはアクが多く含まれており、そのまま調理すると苦味が出ることがあります。30秒ほど水にさらして軽くアクを抜くことで、よりおいしく調理できます。
まとめ
食物繊維を摂りたいなら、ごぼうを積極的に食べるよう意識しましょう。食物繊維が豊富に含まれているため、お腹の調子を整えたい人におすすめです。
ごぼうは食べるだけでなく、お茶としても楽しめますあじかんでは、ごぼうの有用成分をそのまま残した、おいしくて飲みやすいごぼう茶を販売しています。ダイエットや健康のために、ぜひごぼう茶を毎日の習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。