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ごぼうと健康

スーパーでよく見かけるごぼうの旬は、11〜2月です。また、ほかにも1〜4月が旬の「葉ごぼう」、4〜6月が旬の「新ごぼう」があります。それぞれの違いがわからない、馴染みがないという人も多いでしょう。この記事では、ごぼうの旬のほか、基礎知識、栄養素、保存方法、注意点を解説します。ごぼうの調理や健康的な生活に、ぜひ役立ててください。

ごぼうの旬は?種類別の旬と栄養素や保存方法・注意点を解説

スーパーでよく見かけるごぼうの旬は、11〜2月です。また、ほかにも1〜4月が旬の「葉ごぼう」、4〜6月が旬の「新ごぼう」があります。それぞれの違いがわからない、馴染みがないという人も多いでしょう。この記事では、ごぼうの旬のほか、基礎知識、栄養素、保存方法、注意点を解説します。ごぼうの調理や健康的な生活に、ぜひ役立ててください。

2024.12.27

ごぼうに関する基礎知識

ごぼうは、キク科ゴボウ属に分類される植物です。長く肥大した根の部分を食し、独特の風味と歯応えが特徴といえるでしょう。

ごぼうは、煮物・きんぴら・炊き込みご飯など、さまざまな料理に使用されてきました。伝統的な和食に使われるイメージもありますが、近年はサラダにして食べる方法も人気です。早期に収穫したごぼうが「サラダごぼう」などの名称で、サラダ向けに販売されていることもあります。

ごぼうはユーラシア大陸原産

ごぼうは、ユーラシア大陸北部原産の植物です。中国からシベリア、ヨーロッパにかけての広い範囲で自生しており、主に薬用植物として扱われてきました。

日本へ伝来した時期については、縄文時代、平安時代など諸説があります。平安時代中期までは薬用、その後は食用の植物として広く用いられました。薬用として伝わったごぼうを、食用として栽培した国は日本だけです。その後、日本から台湾や朝鮮半島へ、健康によい食用植物として伝わったとされています。

国内のごぼうの産地

現在、ごぼうの主な産地は青森県・茨城県・北海道です。ユーラシア大陸北部を原産地とするとおり、ごぼうの生育には冷涼な気候が適しており、実は北海道にも、ごぼうが自生していたといわれています。なお、生産量1位の青森県では、夏にも冷たい風「やませ」が吹く太平洋側に産地が集中していることが特徴です。

ごぼうの旬はいつ?

ごぼうには、スーパーでよく見かける滝野川ごぼうのほか、若ごぼうや葉ごぼうがあります。ここでは、各ごぼうにそれぞれの旬について解説します。

「滝野川ごぼう」の旬は11〜2月

滝野川ごぼう

スーパーで1年中売られているごぼうは、主に「滝野川ごぼう」という品種です。江戸時代、現在の東京都北区にある滝野川という地域で品種改良・栽培されたことから、この名称がつけられました。滝野川ごぼうの直径は2~3cmで、長さは1mほどです。細長くしなやかな見た目と、豊かな香りが特徴で、また加熱調理をしても食べ応えがしっかり残ります。

旬は11月~2月の間ですが、貯蔵性に優れているため一年中流通しており、旬を意識せずとも食べたいときに食べられることがメリットです。

「新ごぼう」の旬は4〜6月

新ごぼう

新ごぼうは、春ごぼうや夏ごぼうとも呼ばれます。これは秋を迎える前、若いうちに収穫した「滝野川ごぼう」のことです。新ごぼうの旬は4〜6月頃となります。成長しきらないうちに収穫するため長さは30cmほどで、秋から冬に出回るごぼうと比べるとやや短めでしょう。やわらかい食感と薄い色味が特徴です。

通年で販売されていることの多い滝野川ごぼうと違い、9月を過ぎると店で見られることはほぼなくなります。

「葉ごぼう」の旬は1〜4月

葉ごぼう

葉ごぼうは、主に関西・四国地方で栽培されているごぼうで、根だけでなく葉や茎(葉柄)まで食べることができます。葉ごぼうの旬は1〜4月です。滝野川ごぼうのイメージとは違い、大きな葉と根の短さが特徴的で、食べるときも、根よりも葉や茎を楽しむことが主眼となります。

葉ごぼうは、シャキシャキとした歯ごたえとほろ苦さのなかに、しっかりとごぼうの風味を感じられる野菜です。きんぴらや煮物、炒め物などで重宝します。

ごぼうに含まれる主な栄養素と期待できる効果

そもそも、ごぼうは薬用として用いられていたほど栄養が豊富な食べ物です。ここでは、ごぼうに含まれる主な栄養素について解説します。

食物繊維

食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類がありますが、ごぼうにはいずれも豊富に含まれています。水溶性食物繊維のイヌリンは、血糖値改善や整腸作用をもつ物質です。水に溶け、ゼリー状になって、不要なコレステロールを吸着し、排出することがわかっています。

一方、不溶性食物繊維のリグニンは水に溶けず、大腸で作用する物質です。コレステロールの吸収抑制作用、便秘解消の効果が期待できます。

ミネラル

ミネラルは、体内で合成することができない一方、生命を維持するために重要な役割を果たす物質です。ごぼうには、ミネラルのなかでも特にカリウムが多く含まれています。カリウムは、塩分排出やむくみ防止の効果が期待できる物質です。また、体内のさまざまな物質がバランスをとれるよう調整する役割も担っており、心臓をはじめとする筋肉の働きをコントロールすることにも役立っています。

ほかに、骨や歯を形成し、神経の伝達などに役立つマグネシウムも、ごぼうに豊富に含まれるミネラルの1つです。

ポリフェノール

ごぼうには、ポリフェノールが多く含まれています。ごぼうに多く含まれるポリフェノールはクロロゲン酸です。ポリフェノールには優れた抗酸化作用があり、血糖値の上昇や脂肪の蓄積をおさえる効果も期待できます。

ごぼうは「あくを抜く」という目的で水にさらすことが知られていますが、水にさらしたときに出る黒っぽい色はポリフェノールによるものです。長時間水にさらし、栄養が抜けすぎてしまわないよう注意しましょう。

おいしいごぼうの選び方

おいしいごぼうを選ぶにはコツがあります。ここでは、一般的な滝野川ごぼうの選び方について解説します。

土がついたままのごぼうを選ぶ

販売されているごぼうには、土が洗い流された「洗いごぼう」と、土がついたままのものがあります。おいしいごぼうという点では、土がついたままのごぼうがおすすめです。土はごぼうの乾燥を防ぎ、日持ちをよくしてくれる役割をもっています。また、ごぼうの皮の付近にある香りやうまみを保つ効果も期待できます。

一方、利便性の高い「洗いごぼう」は、鮮度が落ちやすいという特徴があります。購入の際、表面にシワや黒ずみ・ひび割れがあるものは、鮮度が落ちている可能性があるため避けましょう。

太さが均一のごぼうを選ぶ

ごぼうを選ぶときは、太さが均一で、先端が細くなりすぎていないものを選ぶことがおすすめです。先端がしおれているごぼうは、鮮度が落ちている可能性があるため避けることをおすすめします。また、太すぎるごぼうの場合、中に「す」とよばれる空洞がある場合も考えられるため、太すぎるものも理想的ではありません。太すぎず、細すぎず、水分の状態をよく見ながら選びましょう。

ひげ根が少ないごぼうを選ぶ

良質な土壌で育ったごぼうは、ひげ根が少なく、風味が強いことがわかっています。したがって、ごぼうを選ぶなら、ひげ根の少ないごぼうのほうがおすすめです。また、ひげ根が多いごぼうは繊維が固いほか、収穫から時間が経っている可能性もあるため避けましょう。

ごぼうの保存方法

ごぼうの保存方法は、ごぼうの状態によっても違います。以下では、ごぼうの保存方法を状況別に解説します。

土がついたままのごぼうの場合

土がついたままのごぼうは、新聞紙に包み、冷暗所で立てて保存することが理想です。このとき、ごぼうが乾燥しないよう、風通しのよいところは避けましょう。適切な管理をすると、購入してから2週間ほどは保存がききます。ただし、よりおいしく食べるなら1週間以内、新ごぼうなら3〜5日の間に食べ切ることがおすすめです。

洗いごぼうの場合

洗いごぼうは、ラップか湿らせた新聞紙に包んで、ビニール袋に入れましょう。さらにそれを、冷蔵庫の野菜室で立てて保存することがおすすめです。このように保存した場合、購入して1週間程度は日持ちしますが、2〜3日以内に食べ切ることがおすすめです。

冷凍保存したい場合

冷凍保存をしたい場合は、下処理をしてから冷凍にしましょう。まずは必ず皮をむき、次にささがきにして軽くゆでます。ゆでた後、水気をしっかり切り、粗熱をとってから保存袋に入れて冷凍します。

冷凍をすると3~4週間は日持ちがしますが、時とともに風味が落ちてくるため、早めに食べ切りましょう。炊き込みご飯などにおすすめです。

ごぼうを調理する際の注意点

ごぼうの味や栄養など、メリットを活かすなら、いくつかのポイントを押さえて調理することがおすすめです。ごぼうを調理する際は、次のような点に注意して行いましょう。

皮をむきすぎない

ごぼうの香りやうまみは、皮の付近にあることがわかっています。したがって皮をむきすぎないように調理することが大切です。ピーラーなどでむいてしまうと、おいしい部分がはがれてしまうため、おすすめできません。

ごぼうの皮は、タワシやアルミホイルなどを使い、優しく表面をこするだけでむけます。アルミホイルを利用する場合は、一度ホイルを丸めてから開き、できたデコボコを利用して、表面をこすりましょう。

あく抜きをしすぎない

ごぼうの栄養のなかには、水に溶け出してしまうものがあるため、あく抜きを長時間やりすぎないこともポイントです。あく抜きをしっかりしようとして、水や酢水に長時間さらすと、せっかくのポリフェノール類が流れてしまいます。また、ごぼう特有の香りも飛び、風味が落ちてしまうでしょう。

ごぼうを切ってからすぐ調理に使う場合は、あく抜きをしなくても問題ありません。えぐみが気になる場合、水に浸す時間は30秒~1分程度の短時間で十分にあく抜きができます。

まとめ

ごぼうの旬は種類によって違いますが、一般的な滝野川ごぼうであれば、11月~2月の寒い時期が旬です。ごぼうには体を温める作用もあるとされており、ご飯や汁物にもぜひ取り入れたい食材といえるでしょう。

ごぼうの調理が面倒、体によいとわかっていてもなかなか食べないという場合は、あじかんのごぼう茶がおすすめです。ごぼう茶を飲むだけで、ごぼうの豊富な栄養成分を取り入れることができるとして、健康茶のなかでもトップの市場規模を誇ります。旬の時期でなくても、ごぼうの効能を最大限に取り入れられることが、ごぼう茶の利点です。ぜひあじかんのごぼう茶で、一年を通してごぼうの栄養を手軽に取り入れましょう。